Mar 14, 2009

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 [東京 22日 ロイター] 米格付け会社ムーディーズが日本国債の格付け見通しを引き下げたが、マーケットへの影響は限定的だ。増大する日本国債の状況は織り込み済みとして、各市場の反応は鈍かった。

 むしろリビアなど産油国に広がってきた反政府デモを嫌気した安全資産への逃避の動きが加速し、債券利回りは低下。短期的な過熱感があった日本株も、利益確定売りに押されている。

 <円債先物は大幅反発>

 ムーディーズ・インベスターズ・サービスは22日午前、日本政府のAa2の格付けの見通しを安定的からネガティブに変更したと発表した。日本の経済・財政政策が、すでに他の先進諸国の水準を大きく上回っている債務の急激な増大を抑制できるほど十分に強固なものではない可能性があるとの懸念の高まりに伴うものだとしている。

 ただ中東情勢不安の拡大で株安/債券高となった流れは変わらず、日本国債見通し引き下げの影響は安全資産への逃避の動きのなかで吸収されてしまった。円債市場では国債先物が大幅反発。「足元では、格下げ圧力より中東情勢に関心が集まっている」(みずほインベスターズ証券のチーフマーケットエコノミスト、落合昂二氏)という。

 スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)が先月27日、日本の外貨建て・自国通貨建ての長期ソブリン格付けをAAからAA─に引き下げたばかりであり「日本国債の格下げの可能性増加をあらためて織り込むほどではない」(国内証券エコノミスト)ことも、反応が限定的だった理由の一つだ。

 日本国債見通しの引き下げについて、バークレイズキャピタル証券のチーフストラテジスト、森田長太郎氏は「格付けのアクションが出ることによって、マーケットでは、政府に緊張感をもたらすと好意的に受け止められるのではないか。政府に対するアナウンスメント効果や警鐘に働くことはあり得る。もっとも、きょうの円債市場は株安が誘発し、買いを手控えていた向きの買いが少しずつ出てきている状況で、ムーディーズの見通し引き下げの影響は限られている」と話している。

 <日経平均は7日ぶり反落>

 一方、前場の日経平均は7日ぶりに反落。200円を超える下げ幅となった。日本国債見通しの引き下げを受けて為替が一瞬円安に振れたことで下げ幅をやや縮める場面もあったが、中東情勢を警戒し押し目買いにも慎重で、安値圏での推移となった。 マネックス証券のチーフストラテジスト、広木隆氏は日本国債見通しの引き下げについて「サプライズはない。ムーディーズのクレジット・アナリシスでは、経済・財政政策が債務の急激な増大を抑制できるほど強固ではないとの見方だが、アウトルック変更に関し象徴的なトリガーがあったわけではなく、このタイミングでの変更にさほど意味はないのではないか」と述べている。

 市場では「中東情勢が落ち着けば日本株買いの流れが復活する」(国内証券エコノミスト)との強気な声は多いが、「(リビアの)カダフィ大佐の息子がどの程度まで武力行使を続けるかが見えず、仮に国連や米国の軍事介入まで発展した場合は日本株も大きな影響を受けるだろう」(大和証券キャピタルマーケッツ金融証券研究所・投資戦略部部長の高橋和宏氏)と慎重な見方も出てきている。

 <日本国債格付け見通し引き下げによる円売りは一時的>

 外為市場では、日本国債格付け見通し引き下げが発表されると、いったん円売りが強まったが一時的な動きにとどまった。リスク回避のドルクロスでのドル買いも入り、ドル/円は円買いとドル買いとの綱引きのなかで83円前半に値を戻している。

 住友信託銀行のマーケットストラテジストの瀬良礼子氏は「日本はまだ国債を国内の資金でほぼ吸収できる状況にあるため、格付けへの反応は鈍い。リスク回避で円買いが強まっている地合いでもあり、円売りには限度がある」と話す。

 一方、外為市場でも緊迫化する中東情勢が焦点となっており、「世界的に株安が連鎖し、高値圏からの健全な調整を超える下げに発展するようなら、これまで株高に支えられてきたリスクセンチメントが悪化に転じる可能性がある」(みずほコーポレート銀行マーケットエコノミストの唐鎌大輔氏)との声が出ていた。

(ロイターニュース 金融マーケットチーム;編集 田中志保)

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