Sep 24, 2010

名古屋のホテルで贅沢する

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 東日本大震災で深刻化した紙やインキの供給不足が今も続いている。製紙大手の工場では生産再開が遅れており、インキの原料となる石油化学製品の生産も滞ったままだからだ。海外からの代替品調達を模索する動きも出てきたが、計画停電の打撃もあり、供給不足の影響は印刷業界や新聞・出版業界など幅広い業種に広がっている。

[一覧]再開する企業の一方で、まったくめどすら立たない企業も

 被災した製紙大手の工場は震災から3週間以上が経過した今も操業を停止したままだ。三菱製紙の八戸工場(青森県八戸市)は5月中旬に生産を再開できる見通しだが、日本製紙の石巻工場(宮城県石巻市)と岩沼工場(同県岩沼市)は再開のめどが立っていない。

 昨年の国内全体の生産量に占める3工場の割合は高く、雑誌や書籍などの印刷用紙が18・7%、新聞用紙で13・8%を占めた。

 野村証券金融経済研究所は最近のリポートで、国内の印刷用紙市場(年間約800万トン)のうち150万トン程度、新聞用紙市場(年間約350万トン)のうち50万トン程度が停止していると指摘。「震災の影響がなかった工場や生産能力に余裕のある会社が増産しているが、補いきれなければ輸入などの対応も必要となる」との見方を示した。

 紙と並んで深刻なのがインキだ。国内大手のDICは、原料の有機顔料の生産拠点である鹿島工場(茨城県神栖市)の操業再開時期が未定。原料の樹脂づくりに必要な石化製品のジイソブチレンを国内で唯一生産していた丸善石油化学の千葉工場(千葉県市原市)は震災で火災を起こし、「復旧には最低でも1年は必要」(同社)という。

 このためインキメーカーの間では「代替原料を確保したり、海外の生産拠点からインキを調達したりする動きが広がっている」(印刷インキ工業連合会の小松原正志専務理事)という。

 ほかにも、紙の原料であるパルプや新聞用紙の主原料の古紙を漂白するのに必要な過酸化水素が供給不足に陥る懸念が出ている。

 “川下”の印刷業界では資材の不足感に加え、計画停電の影響も出ているという。日本印刷産業連合会の草野司朗常務理事は「計画停電で効率的に稼働できず、生産性が低下している」と打ち明ける。

 一方、紙やインキの供給不足は最終製品に打撃を与えている。日本雑誌協会によると、3月25日時点で発売延期となった雑誌は234誌、発売中止となった雑誌は16誌に上った。

 人気雑誌も例外ではなく、集英社は3月28日の予定だった「週刊少年ジャンプ」の発売を4月4日に延期した。


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 街頭ポスターというメディアが、今よりもずっと力を持っていた時代があった。東京都千代田区の昭和館で開かれている特別企画展「ポスターに見る戦中・戦後」は、昭和初期から30年代にかけてのポスター180枚を2期に分けて展示し、時代の移り変わりを視覚的に体験させる。

 和服姿の女性が、指輪・ネクタイピンといった金製品を高く掲げている。背後には日の丸を小銃に結び行軍する兵士のシルエットが配され、「お国の為めに金を政府に売りませう」というスローガン。日中戦争が膠着(こうちゃく)状態に陥った昭和14年、政府が輸入決済の手段として個人所有の金製品の供出を募ったことを受け、全国地方銀行協会などが呼びかけた国策ポスターだ。赤や黄などの限られた色数ながら、人目を引く鮮やかな仕上がりになっている。

 こうしたポスターの制作者について、「当時はデザイナーではなく図案家と呼ばれていた」と解説するのは、同館学芸課の萩谷茂行主任。「芸術家というより職人に近い。印刷技術による制約が現代よりずっと大きいので、常に印刷工程を考えて制作されました」

 その後の大戦下では、多くのポスターが3色刷など質素なものになっていくのに対し、陸海軍のポスターは相変わらず色数豊富で、豪華なものが多い。軍が国家の主導権を握った状況が、露骨に反映されている。終戦後しばらくの間は、戦時中よりさらに貧相になったポスターも多く、物資不足の混乱した世情をうかがわせる。

 ポスターは従来、デザインなど美術的な観点から論じられることが多かったが、同館ではあくまで、当時の世相を示す資料として展示している。往時の官庁や企業が有力な宣伝手段として競って制作したポスターからは、時代の空気が濃厚に漂ってくる。(磨井慎吾)

 第1期「公共事業・社会事業を中心として」は17日まで。第2期「商業広告・文化催事を中心として」は19日〜5月15日。入場無料(常設展示室は有料)。月曜休館。問い合わせは昭和館(電)03・3222・2577。

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